ひよこ。


こんなに近くにいるのに。

…近くにいるからこそ、距離を気にして近づく勇気がない。

本当はもっとたくさんそうちゃんのこと知りたいのに、そうちゃんに好きになって欲しい、って思ってるのに…

そうちゃんを横目で見ると、誰かとLINEをしてるみたいだった。

…好きな人、かなぁ…

「なぁなぁ。」

そうちゃんの声に、ぴくりと反応してしまう。

「俺の従兄弟が今度、大学のサークルの卒業制作みたいなやつで演劇やるらしいんだけど、行きたい人いる?」

演劇!?

いいなぁ〜…

「私、行ってみたい!」

さっきまでちょっと気持ちが沈み気味だったけど、そうとは思えない位大きい声が出た。