「俺なんて、こっから1時間以上かかるんだよ。
毎日朝練もあるから、二度寝できなくてツライ〜…」

口を尖らせて机に項垂れる林田くん。

…なんか、素を見せてくれてる、ってかんじ…

犬がお腹見せてくれてるみたい。

嬉しいなぁ、そういうの。

「そっか、朝練かぁ…大変だね。バスケはいつからやってるの?」

「んーと…兄ちゃんの影響で始めたから、小5?かな!」

へぇ…

じゃあ、バスケ歴7年くらい…?

すごい!

どうりで上手なわけだ。

「中学の時は割と和気あいあいとしてたんだけどさぁ、高校のバスケ部の厳しくて、もうやめちゃおうかなって…
バスケは趣味程度だったし。」

「え、やめちゃうの!?あんなに上手なのに!
もったいないよ!」

私が言うと、項垂れていた林田くんがぴくり、と反応した。