「竹井。」

授業が終わると、林田くんに声をかけられてどきりとした。

意識しすぎて、好きとかわからなくなってる…

「竹井と話したい。ダメ?」

林田くんはそう言って首を傾げた。

う、ずるいよ、それ…

もちろん、断る理由なんてないから話しますけど…

「ねぇ、竹井ってどの辺に住んでるの?」

「えっと、駅の向こうの赤坂公園の近く…」

林田くんはじっと見つめてくるけど、どうしても逸らしてしまう。

「へぇ…学校から近いのな。いーなー。」

そんな私とは裏腹に、林田くんは笑顔を崩さない。