体育館に戻ると、試合はちょうど残り5分のところで。

…もっとすばやく手当するべきだった。

得点板を見ると、5組は1点負けている。

そうちゃん、戻るのかな?

球技大会のルールは意外と緩いから、戻ろうと思えば戻れるけど…

あっ…………

私もそうちゃんも迷ったようにしていると、また相手に1点とられてしまった。

その時、ベンチにいたチームメイトが、そうちゃんが戻ってきたことに気づいてくれた。

「奏太郎、戻れるか?」

「おう。」

そうちゃんが頷くと、交代!という声が響いた。

私も がんばって!と、そうちゃんの背中を押した。