ひよこ。


「…でも、なんですぐに言わなかったの?
あんなあからさまにルール違反なことされたのに…」

「いや、だって、チームもいい雰囲気だったし…
ここで俺が抜けて、リズムが崩れるのは良くねぇなって思って…
それに、最初はそこまで痛くなかったし。」

…あぁ、なんか納得。

結局そうちゃんは、自分より人を優先しちゃうんだなぁ。

そうちゃんの足を見ると、予想以上に赤く腫れていて、相当無理をしたことが見て取れた。

「さすがに無理しすぎだよ。こんな赤くなってるし………でも」

私は道具を手に取りながら続けた。

「……そうちゃんの、人のために無理して自分を犠牲にするとこ、かっこ良くて好きだよ。」

…って、私何言ってるの!?

つい口をついて出た言葉に、慌ててしまった。

「いや、今のはそういう好きじゃなくって……」

「あー、おう。ありがと。」

そんな私とは裏腹に、そうちゃんはそれを軽く流した。

…まぁそうだよね。

そうちゃんはかっこいい、なんて言われ慣れてるもんね。