はい、と樋口くんにノートを渡した羽奈ちゃんは、少しうれしそうな気がした。
そうちゃんに声はかけられなかったけど、近くで話すことができたから、少し進歩かも。
…あ、そういえば、樋口くんが竹井って私の名前読んだの、そうちゃん気づいたかな。
…私のこと、少しでも思い出したかな。
お昼休みになって、わたしと羽奈ちゃんは机をくっつけてお弁当を広げた。
すぐ後ろでは、そうちゃんや樋口くんがいる、クラスの盛り上げ役なかんじの男子が集まって床に座りながらご飯を食べていた。
羽奈ちゃんと話していると、話題が絶えなくて楽しい。
