ひよこ。




ギャラリーに戻ると、

開始からもう15分ほど経っていた。

さすが決勝、体育館内にはたくさんの人で盛り上がっていて、試合もかなり白熱していた。

「ちょっと陽依!おっそい!」

羽奈ちゃんは私に気づくなり、何やってたの!と軽く私を叩いた。

「ごめんごめん、ちょっと色々…」

「ふーん…大丈夫?」

羽奈ちゃんが私の顔を覗き込む。

「うん!大したことないから!」

まぁ、言わなくていいよね。

かなりイラッときた出来事だったけど、直接なにかされた、というわけでもないし。

そう思って、私は切り替えて試合に集中することにした。