さっさと立ち去ろうとした足を止めると、私を呼び止めたのが松岡さんだということがわかった。
「さっきっから柴崎くんの試合みてて思ってたんだけどさ…」
松岡さんは腕を組んでいて、イライラしているようだった。
「竹井さんってさー、ちょっと図々しいよね?」
その冷たく刺々しい言い方に、嫌悪感を覚える。
「ほんとそれ!柴崎くんに色目使いすぎじゃない?」
…色目?
なんだそりゃ。
見当違いな指摘に混乱するも、松岡さん達は話を続ける。
「なんかさ〜、もっとぼーっとしてる子かと思ったら、けっこう計算高いんだね。」
「……け、計算?」
何を言っているんだろう………
