…でも、食べてみたら意外と普通に美味しくて。

目の前のそうちゃんがケーキを口に運ぶ。

私はその様子をドキドキしながら見ていた。

「…うま。」

ちいさーくつぶやいただけだったけど、私はそれを聞き逃さなかった。

嬉しい!

「そうちゃん、どう?」

お母さんが、自信があるのか聞いてきた。

「めっちゃうまいです。懐かしい。」

そう言って微笑むそうちゃん。

わ、なんか昔に戻ったみたい。

そうちゃん、昔っからこのケーキ好きだったもんね…

「お店のより好きっす。」

え!そんなに!!

それは嬉しい!

よかったー……

いつもより豪華なご飯とケーキを、私の家族とそうちゃんの家族で食べられて、いっそう特別な日になった。