玄関先まで見送る途中、リビングに顔を出した3人が、お母さんにおじゃましました、って声をかけてる光景を見て、なんかいいなぁ、と思った。

「じゃ、陽依、ありがとね。」

「またな!冬休みだし、そんな会わねぇと思うけど…」

「……じゃな。」

3人が手を振って、帰って行く。

ドアを閉じると、ガチャリという音と同時に、頭にあのことがよぎる。

……優香ちゃん…………

優香ちゃんは、どんな思いであの言葉を口にしたのだろう…

私がそうちゃんを好き、なんてことはないと思う。

そう思っているのに、答えは決まっているはずなのに、私の心にはそう言い聞かせないと、揺らいでしまう何かがあった。