「いやぁ〜…
本当に、竹井の"お兄ちゃん"みたいだなぁ〜と思いまして…」

…やたらと"お兄ちゃん"を強調しやがって。

「はいはい、そりゃどーも。」

俺は、そんな航希をテキトーにあしらって席についた。

………最近、どんどん竹井から目が離せなくなっている気がする。

引っ越してくる前、あんなに強くもう仲良くしない、と誓ったのに、

実際に会ってしまえばそんな決意は、いとも簡単に崩れていって。

どうしても、竹井のことを気にかけてしまう自分がいる。

俺は、そんな自分の気を紛らわそうと、窓の外を見た。