「おはよ!陽依!」

駅の改札口の前。

羽奈ちゃんがいつものように元気に言う。

…でも、その表情はいつもより元気がない。

目も少し腫れているような気がする。

「…羽奈ちゃん、なんかあった?」

私が聞くと、あー、バレちゃったかぁー、と困ったように言った。

「昨日の放課後、好きな人の話になったじゃん?」

私はそれにうんうん、と頷く。

「私、樋口に好きな人がいるなんて知らなくて…
家帰ってからいろいろ考えちゃってさぁ……」

そっか…