ひよこ。


「陽依。」

お母さんに名前を呼ばれて振り返ると、テーブルに何か分厚い本を置きながら手招きをしている。

「懐かしいもの、出してみたの。」

それは小さい頃のアルバムだった。

「今日、裕美子さんが遊びに来たのよ〜!」

そう嬉しそうに言いながら、お母さんはアルバムを開いた。

…いいなぁ、

私もおばさんに会いたかった。

もう、こっちに戻ってきて3ヶ月経ったのに、

まだおばさんとおじさんには会えていなかった。

少し不貞腐れながらアルバムを覗く。