「…柴崎くんは?国語とか、ヘーキそう?」
「あー、おう。竹井のおかげ。ありがと。」
その言葉がなんだかむず痒くて、私はそっぽを向いてしまった。
…もう、そこの角を曲がれば家はすぐそこだ。
「柴崎くん、ここまででいいよ。
ありがとう、送ってくれて。」
「…そうか?気をつけて帰れよ。」
少しやりとりをして、そうちゃんと別れた。
…寒いなぁ……
寒いのは夏よりもずっと好きだけど、やっぱりマフラー持ってくればよかったなぁ、なんて後悔しながら歩く。
次のテスト、頑張らなくちゃ…
そう意気込んで、私はまた白い息を吐いた。