「あー…樋口がうちに来るの、緊張感する……」
克也くんに聞こえないようにか、ひそひそと不安気に言う羽奈ちゃん。
「ていうか陽依は、柴崎のこと気になったりしないの?」
急にそんなことを言うから、コップに注いでいたジュースをこぼしそうになる。
「…ッ何言ってるの!ぜんぜんだよ!」
「ふーん…」
なんだか納得いかないように言う。
もー、最近そればっかり聞いてきて。
いつも違うって言ってるのに。
「…じゃぁ、克也は⁉︎」
面白がるように言う羽奈ちゃん。
「克也くんは、たしかに男らしくなったけど、ぜんぜんそういうのはないかなー…って、こらこら。
弟くんを恋バナのネタにしないの。」
「………はい、残念でした、克也さん………」
羽奈ちゃんが同情するように呟くのを、私は不思議そうにみた。
