「うん、ありがとうね。
あの時2人が気づいてくれて、本当に良かった……」

「あの時俺ら、3階の空き教室にいてさ。
あそこの窓からお前らが男に絡まれてるの見えて、それに奏太郎が気付いて急いで向かったんだけど…」

「…ギリギリだったよな、ごめん。」

2人とも、申し訳なさそうに眉を下げる。

謝るところなんて、ひとつもないのに。

…わざわざ3階から駆けつけてくれたんだ……

「ぜんぜん!あのあと、2人がいたおかげですごく楽しかったから、もうあの時声かけてきた人の顔忘れちゃったし!」

樋口くんは、そっか、と笑ってくれた。

そうちゃんは私の顔をじっとみて心配しているようだったけど、笑いかけてみせた。