お化け屋敷の話にひと段落がついて、さて、まわろうか、と羽奈ちゃんがつぶやき、また歩きだす。 ……それにしても、結構混んでるなぁ… 文化祭自体はあと2時間くらいで終わる。 ピークは過ぎたようだけど、まだまだざわざわと盛り上がりをみせていた。 「陽依。」 羽奈ちゃんに声をかけられて、そっちを見る。 「柴崎と2人きりで、大丈夫だった?」 私たちが気まずいのを知ってたから、気遣ってくれたようだった。