右斜め前

それは、聞き覚えのある声だった。

もう何年も聞いていなかったはずの声なのに、すぐにわかった。

耳が反応した。

それは、懐かしいような、愛おしいような、切なくなるような思い出の中の声だった。

ゆっくりと振り返ると、そこにはあの頃のままの彼女がいた。

ぎゅっと胸が切なくなるような、

なんだか泣きたくなるような、

不思議な思いが押し寄せてきた。