彼の苦悩



腕を掴まれて無理矢理教室から出された。


「楓ー、どこいくのー?」


「あ…今日部活なの忘れてて。


ごめん、行ってくるね。」


「うん、行ってらっしゃーい!」


美月に適当に言い訳している間も、私の腕をグイグイ引っ張ってきた。


笑顔でそう言う美月に罪悪感を感じながらも、ホッとしている自分がいた。