彼の苦悩



「…っ!」


自分のおかれている状況に気がつくのに数十秒時間が必要だった。


けど、気づくとすぐに顔は熱くなる。


私は俊也の腕の中にいた。


「お前どんくさすぎ。」


そう言う俊也は少し優しく見えた。


「俺女の気持ちわかんねぇ。


だから、悩んでることは言葉に出してほしい。」


「うん…」


私一体なにやってたんだろう…


事実確認もせずに俊也を避けて…


手まで振り払って…


気がついたらまた涙が流れていた。