「全然嬉しくない…」


心から喜んであげられない私は親友失格だ。


ごめんね、美月。


そう思って私はピアノを弾いた。


小さい頃からピアノは上手かった。


何度か大きな賞を取ったこともある。


だけど、私は人の曲を弾くより自分の作った曲を弾く方が好きで…


今は失恋をテーマにした曲を弾いている。


ピアノを弾いているときだけ無になれた。


だから辛い気持ちを無にしようとして弾いているのに…


涙は止まらなかった。