彼の苦悩



そう、私は今俊也のモデルになっている。


イスに何もせずに座っているというのはかなりキツい。


「だから、じゃんけんしよ。」


「じゃんけんパー。」


「それはズルい。」


どんなに頑張っても俊也はじゃんけんしてくれそうにないので、黙ることにした。


聞こえてくるのは時計のカチコチという音と、俊也がスケッチする音。


そしてようやく俊也はスケッチブックを閉じた。