忌々しいアイツの家に、俺たち兄妹は小さな頃から暮らしていた。 実の親は蒸発した、そう聞いている。 親戚の家での暮らしはずっと、ずっと、肩身の狭い思いをしてきた。 俺は中1んときに暴力で初めてパクられて以来何かが爆発したようで、あんまり家には帰らなくなった。 妹の顔が見たかったけど、 それよりも俺は夜の世界にはまりこんでいた。 風俗のあっせん、闇金の取り立て… 金のためならなんでもやった。 いずれは、 貯めた金で部屋を借りて楓と二人、なんの気がねもなく暮らすつもりだった。