「…ん」 僕が目覚めたのは、病院のベッドの上だった。 少しでも動くと全身に痛みが走る。 僕は目だけを動かして病室を見回す。 「あっら~、目ぇ覚めたぁ!」 目があったおばちゃんナースが言った。 「あ…はい。」 「お医者さん呼んでくるわ!」 「あ、すみません!」 僕はおばちゃんナースを呼び止めた。 「亜矢…あ、女の子いませんでしたか?」 おばちゃんはニヤリと笑う。 「すっっごく綺麗な子でしょ? 救急車の中からずっとあなたの手を握ってたわ!さっきまでいたんだけどねぇ…」