「もしかして今日、デート?」


教室に着いて、わたしは自分の席に行かずにそのまま美帆の席へ行く。



「デート…ではない」


「じゃあ、なにー?」


美帆が髪を巻いてきたことなんて、知り合って半年。

1度もなかった。


「勉強教えてもらうついでにお茶するだけだし」


「デートじゃーん!!」


「だから、デートじゃないって!」


美帆は否定するけれど。

世間一般ではこれをデートと呼ぶはずだ。

うん、きっとそう。



「デート、楽しんできてね」


「だからデートじゃないってば!」


そんな美帆の声を無視して自分の席に座った。


好きな人に少しでも可愛いと思ってもらえるように努力している美帆は、完全に恋する乙女だ。

可愛すぎる。


圭祐くん、今日の美帆を見て可愛い、って思うといいな。