「ユウ、引いてるでしょ?

もしかして、いや、もしかしなくても引いてるでしょ?」


ん?と言いながら美帆は顔を近づけてくる。


「引いて…ます」


正直にそう答えると、美帆はわざとらしく大きなため息をつく。



「これだからバイトしてない野球バカはダメなんだよ」


な、なんてヒドイ言われ様なの…!!


「バイトマンとしてはね、給料日というのは格別なんだよ!

1ヶ月我慢して我慢して働いて、その分の給料が、ほら、ドーンと!ドーンとね!


いやいや、分かってる。

この気持ちはバイトマンにしか分からないだろうなー

うん、そう、あんたの幼なじみとか。」


大げさすぎるジェスチャー付きで熱弁する美帆。

その姿に思わず笑ってしまう。



…ん?え、あれ?

ふと、頭にモヤモヤしたものが発生する。


「美帆、今日って何日だっけ?」


「はあ?さっきユウが教えてくれたんでしょ、15日って」


「何月?」


「ふざけてるの?6月!」


6月15日…


「しまったーっ!!」


廊下まで聞こえるんじゃないかと思うほどの声で

思わず、叫んだ。