「さて、と」


アイスコーヒーにミルクを注ぎ入れる美帆ちゃん。

ミルクはゆっくりとグラスの底へ落ちていく。

底にたどり着く前に美帆ちゃんによってかき混ぜられたアイスコーヒーは真っ黒だった液体から薄い茶色へと色を変える。


そんな様子をボーっと眺めていると美帆ちゃんが口を開いた。



「世間話…でもする?

それとも」


そこで一度言葉を切る美帆ちゃん。


「ユウの話、する?」


ほら。

やっぱり、ね。



「ユウの話…ね」

思わずふっと笑ってしまった。


あまりに想像通りに話が切り出されたから。