「じゃあな」
「うん、いってきます」
駅に着き、ホームに立つ。
上り電車がホームに入ってきて
満員の車両に体をねじ込む。
プシューと音とともにドアが閉まった。
少しの振動と共にゆっくりと走りだす電車。
わたしはホームにいるトシに小さく手を振る。
トシと毎朝一緒に登校するのは駅まで。
わたしは上り電車で高校へ向かい、
トシは下り電車で別の高校へ向かう。
わたしたちが駅に着く時間だと先に来るのは上り電車。
だから毎朝こんなふうにトシに見送られて学校へ行く。
そんな生活になって早3ヶ月。
すなわち、高校に入学してからもう3ヶ月も経っている。
時の流れって恐ろしく早いな、なんて思ってしまう。