16年、毎日イヤになるほどに顔を合わせた。
数えきれないくらいケンカをして、
大嫌いな日もあった。
でもそれは安心していたからだ。
どれだけケンカをしても、どれだけ大嫌いでも、
次の日には顔を合わせて、一緒にいるうちになんだかどうでも良くなって。
気づけば仲直りをしていて、
大嫌いじゃなくなっていた。
でも、トシが引っ越して、離れ離れになって、
そして気が付いた。
トシが隣にいるということがどれだけわたしを安心させてくれていたのか、ということを。
それに、
ケンカをした数よりも笑い合った数のほうが多くて、
大嫌いな日よりも大好きな日のほうが多かった。
トシは幼なじみ。
そして大好きな人。
『なあ、ユウ』
「ん?」
『俺がI love youを訳すなら』
携帯を当てている右耳が熱い。
鼓動が心地よいリズムで鳴っている。
わたしはこの瞬間を、
この満月を、
一生忘れることはない。
『俺がI love youを訳すなら、
ユウが大好きです』
-END-
→あとがき


