トシと再会してからと言うもの、
トシの成長ばかり見せつけられて、
それが悔しくて。
だからわたしだって少しは成長したんだ、ってところを見せつけたかった。
トシだけじゃないんだぞ、ってところをアピールしたかった。
「今日は、ごめんね」
だからわたしは先にその言葉を口にした。
それなのに。
そう口にした途端、
どうしてか喉元が熱くなって、
視界が歪む。
「あかりちゃん、ものすごく怒ってた。
わたしがきっと、あかりちゃんの癪に触るようなこと、言っちゃったんだよね。
ごめんね、トシ。
あかりちゃんのこと傷つけちゃったみたい」
ほんの数時間前のことを思い出して、
涙が次から次へと溢れる。
どうしてわたしはあれほどまでにあかりちゃんを怒らせてしまったのだろう。
いなくなってよ、そう言われるほどにわたしはあかりちゃんに嫌われるようなことをしてしまっていたのだろう。
トシの大事な彼女を怒らせて、傷つけて、泣かせてしまった。
そんなつもりなかったのに。
トシが、誰よりも幸せならそれでいいと思っていた。
だからあかりちゃんからトシを奪おう、なんて考えたこともなかった。
トシがこのままあかりちゃんと仲良くいられるのなら、
それが1番に決まっている。
もし、
もしわたしがトシの幸せの邪魔になってしまうのなら、
わたしは自ら消えようと思う。
トシに、
大好きなトシに、
告げられてしまうのなら、
カッコつけて、
自らの手で終わらせようと思う。
「わたし、きっとふたりの邪魔してるんだよね。
そりゃあ、あかりちゃんイヤだよね。
幼なじみ、って言っても異性だし。
もっと早く気付くべきだった。
ねえ、トシ」
喉がカラカラだった。
次の言葉を言いたくない。
言いたくないけど、
言わなくちゃいけない。
わたしは溢れる涙を袖でゴシゴシと拭う。
「もう会うの止めよう」


