「懐かしいね」
なんとか間を持たせたくて、
同じ言葉を繰り返す。
でも懐かしい、そう思っていたことは本当。
あの頃みたいにプリンを投げても届かないけれど、
手を伸ばしても届かないけれど、
でもこうして風を感じながらトシの声を聞いていると
2年半前に戻ったような気持ちになる。
ただ今日はいつになくトシが喋らなかった。
わたしに怒っているのだろうか。
あかりちゃんを傷つけて、泣かしてしまったわたしをトシは許してくれるだろうか。
『……なあ、ユウ。
あのさ、「ちょっと待って」
やっとトシが喋った、
そう思ったけれど声のトーンで察する。
きっとこれまでのようにトシは自分が先に謝ろうとするのだ。
わたしが謝りにくいと思って、
自分から先に言うつもりだ。
『今日はあかりがいろいろ言ってごめんな』
って。
それで、もうあかりを傷つけるのはイヤだから、
とかなんとか言って、
もう俺たち会うのをやめよう。
そんなことを言い出すのだ。
頭の中でそんな想像が駆け巡った。
だからわたしはトシの言葉を遮った。


