「お前ら、何やってんの?」
近づくとふたりは、
泣いていた。
「なあ、ユウ、あかり。
こんなところで、何やってんの?」
「違う。違うの、俊哉。
あのね、」
あかりは俺の服の袖をぎゅっと握る。
そして涙目で上目遣いをして俺を見つめる。
ユウは俺を見た後、
ゆっくりと視線を落とし、俺の服を握るあかりの手を見て、
そして自分の服の袖で涙をゴシゴシと拭う。
「ごめん」
どうして。
なんで、そんな悲しい顔で笑うんだよ、ユウ。
そうしてユウは俺たちに背を向け走っていく。
「ユウっ!!」
胸が張り裂けそうだった。
ユウにあんな顔をさせてしまったこと。
ごめん、なんて言わせてしまったこと。
胸がズキズキと痛む。
「……待ってよ!俊哉!!」
ユウを追いかけようとした俺の腕をあかりが引っ張る。
「どうして」
「ごめん、あかり。
でも俺、」
「俺、何?
俊哉の彼女は、わたしだよ?」
あかりの目からはボロボロと大粒の涙が溢れ出す。
「俊哉が1番に心配するのは彼女の私じゃなくて、幼なじみのユウちゃんなの?」
「……………」
何も、言えなかった。
「ねえ、俊哉。
答えてよ!!」
あかりに掴まれた腕が熱い。
「このままじゃ、わたし……どんどんイヤな女になっちゃうよ……」
俺も、あかりも一度落ち着く必要があった。
だからボロボロと泣くあかりが泣き止むのを俺は黙って待った。


