「誕生日プレゼントって…はあ?ちょっと待てよ!

これ、プリンじゃん!」


「そうだけど!?」


「プリン投げつけるやつがこの世の中にいるかよ!」


「いますよ!目の前に!」


「バカじゃねーの!?

プリン、ぐちゃぐちゃじゃん!」


「トシが悪いんだよ!」


「なんで俺のせいなんだよ!」


「だってトシが…「いい加減にしなさい!」


突然背中から聞こえてきたお母さんの怒鳴り声。


「ふたりとも、何時だと思ってるの?

ケンカはいいけど、周りのことも考えなさい!

近所迷惑でしょ?」


お、おっしゃる通りでございます、お母様。


「「ごめんなさい」」

トシと見事に言葉が重なる。


「明日も学校でしょ?

ふたりとも、仲がいいのはいいけど、早く寝なさい」


お母さんはそう言って部屋を出て行った。



「…寝るか」


「うん」


じゃ、と言って窓を閉めようとするトシ。


「あ、トシ!」

それを止める。


「ん?」


「誕生日、おめでとう」


「…おう。

おやすみ」


「おやすみ」


窓とカーテンを閉めて、ベットに横になる。

そして、目を閉じても

あれだけぐるぐるしていた映像が現れることは

二度となかった。