こうならないように、そう思っていたのに、やっぱり無理だった。


「知ってた?あかりちゃん」

「全然知らなかったです。

俊哉、そんな話1度も……」

「ちょっと先輩、中学時代の話するのやめてくださいよー」


ははっ、とみんなに合わせて笑う。


トシたちが隣に座ればきっと、こうなると思っていた。

トシとナオくんは中学時代、決して仲が悪いわけではなかったから、久しぶりだな、って会話が始まって。

そうして気づけば4人でご飯を食べているような、そんな状況になると思っていた。


けれど、わたしはそうなることを避けたかった。

だって自信がなかったんだ。

トシがあかりちゃんを見て、あかりちゃんがトシを見て笑う姿を目の当たりにして普通で、いつも通りの自分でいられる自信がなかった。


だからどうかこの時間が早く過ぎろと心の中で願った。


それなのに、


「よし、じゃあ今からボーリング行こう!」

「行くかー」

「え!?なんで!?」

「どうせ話聞いてなかったんだろ。

いいから行くぞ、ユウ」


そんな冷ややかな言葉と視線をトシから受ける。


何?なんで?

まじで分からない!