「どう?これでユウの謎はすべて解けた?」

意地悪そうにナオくんは笑う。


「謎?」

「最初にユウが初めから俺のこと好きじゃないのは分かってた、って言った時顔にいっぱいなんで、どうして、が見えたから」


「本当になんでもナオくんにお見通しだね……」


「だって俺、ユウのことずっと見てきたんだから」


ずっと?


「中学生で初めて会って、一目惚れしたんだ、ユウに」


わたしは手で顔を覆った。


最低だ。

最低だ。

ナオくんはずっと、ずっと、わたしのことを……


「ユウ、言っただろ。

そんな顔するな、って。


もう昔の話、終わったことだろ。

あの頃のことはいい思い出だ」


ナオくんはやっぱり笑っていたけど、

でもわたしには無理しているように見えた。

自分に、いい思い出だった、そう言い聞かせているように見えたんだ。


だからわたしは顔を上げて、真っ直ぐにナオくんを見た。


「最後にするから言わせてほしい。

本当に、ごめんなさい」


あの頃のわたしは何もナオくんに伝えられていなかった。

申し訳なさでいっぱいで、

ごめんなさいばかりが浮かんで大事なことを伝えられていなかった。


たくさん傷つけたと思う。

でも、それでもわたしはナオくんといろんな時間を過ごして、たくさん笑ったんだ。


「それと、ありがとう。

わたしもすごく楽しかった」