「ユウのくせに、」
「え?」
「ユウのくせに、まともなこと言うなよ。」
はあぁぁあ?!
と叫びそうになるのを口に手を当てて堪えた。
危ない危ない。
「そこはありがとう、って素直に言えばいいじゃん。」
「…どうも」
「ありがとう、でしょ?」
「あざす」
「トーシー!」
そんなやり取りをしながらもトシの親指はスマホの上で流暢に動く。
きっとあかりちゃんに連絡しているのだろう。
これで良かった。
良かったはずなのに、なんだろう、この胸のザワザワは。
イヤになる。
こうやってトシと同じ時間を過ごせば過ごすほど、
こんな気持ちを抱えていかなければならないなんて。
でもきっと、わたしは今日のようにトシに誘われればその誘いを断ることはないだろう。
好きだから。
…だけではない。
昔から一緒にいたくないときも一緒にいたトシ。
誰よりも一緒にいて楽だから。
一緒にいて、落ち着くから。
だからわたしは今日もこうしてここに来たのだ。
身勝手で、口が悪くて、
でも居心地が良くて、
言葉なんて必要なくて、
1番の理解者のトシに会いたくて、ここにいるのだ。


