再会したあの日と違って、
まともに会話をして、
懐かしい話をして。
いっぱい笑って、
少し怒って、
でもやっぱり笑って。
トシと目が合う度に少しドキドキして。
そして、気づいた。
2年半前よりもわたしはトシが好きだった。
めちゃくちゃ好きだった。
「ユウ…」
振り返ると美帆が困った顔をしていた。
「今日、会わない方が…良かった?」
美帆はきっと責任を感じているのだろう。
トシと会ってしまったことによってわたしがより辛い思いをしたんじゃないか、って。
だから、わたしは精一杯首を横に振った。
「ううん、会えて良かった。
前みたいに話しできて良かった。」
「ほんとに?」
「うん、ほんと。
ありがとう、美帆」
わたしはぎゅっと美帆に抱きついた。
美帆の匂いがする。
わたしが安心できる匂い。
「わたし、頑張る。
幼なじみに戻れるように頑張るね。」
たとえ、この気持ちが消えなくても、
それでも”幼なじみ”という唯一の存在になれるように頑張ろう。
美帆の匂いを感じながら
そう固く、固く、決意した。