どこまでがトシの本心なのかなんて今となっては分からない。


でも、わたしは間違いなく、トシに甘えて生きてきた。

その必要のない自信だけがちゃんとあるから。


だからわたしから連絡はできない。



「何それ、意味わかんない」


わたしの言葉を聞いた美帆はそう言った。

うん、意味…分かんないよね。

連絡をしない、なんてそんなのわたしが意地張ってるだけだもんね。

そんなこと…分かってる。



「じゃあ、トシくんからの連絡待ちなよ、この先ずっと」


分かってるくせに。

美帆の口ぶりを聞いてわたしは心の中でそう言った。


トシは、きっと自分から連絡してこない。

それは自分の言葉に対する責任を果たすためだ。

『俺を開放してほしい』

そうわたしに放ったあの言葉に対する責任を果たすため。


トシも意地張りだから、1度そう決めたらとことん曲げない。


だから、


だからわたしたちはきっと、


もう２度と、会うことがない。