「どうした?」
カーテンも窓も開けると、
トシの部屋のカーテンはいつものように少しの隙間を作っていて。
勉強机に向かっていたトシはわたしに気づく。
あれだけ降り続いていた雨は、
いつの間にか止んでいた。
「ねえ、ひどいんじゃないの?」
「はあ?なんの話?」
ぐっと眉間にシワを寄せるトシ。
ほら、いつもと同じ。
あんな優しい顔、わたしにはしてくれない。
「彼女、できたんでしょ?
報告くらいしてくれてもいいんじゃないの?」
「はあ?
だから、なんの話だよ?」
とぼけるの?
わたしに報告もしなかった挙句、
そんな態度を取るなんてわたしをバカにしてるとしか思えない!
あまりに腹が立って。
わたしはグッと窓から身を乗り出した。
「さっき!見たの!」
「何を?」
「トシがバイト先のコンビニの前で彼女と楽しげに話してるところを!」


