思わず、トシの家の前で足を止めた。 …なに。 どういう…こと? 「おかえり」 偶然、だろうか。 玄関がガチャっと開いて。 トシが出てきた。 何日ぶりかの、トシ。 「ねえトシ。 どういうこと?」 トシの家の窓からカーテンがなくなっていた。 外に置かれていた荷物も、 毎日トシが乗っていた自転車もない。 本当は、分かっていた。 どういうこと? なんて聞かなくても、それが何を示すのか分かっていた。 トシの家は… 引っ越しをするんだ。