「じゃあ、また明日の部活で。」
「うん」
駅前で触れるだけのキスをして。
わたしたちは家へ帰った。
まだ18時なのに日はすっかり暮れて。
「うぅ…寒い」
思わず首をすくめて、はーっと両手に息を吐く。
さっきまでナオくんと繋がれていた方の手がまだほんのりと温かい。
水族館…楽しかったな。
入ってすぐの触ってみようコーナーで
ヒトデやナマコを触って変な感触だ、って騒いで。
マグロやカツオを見てナオくんがおいしそう、なんて言うから思わず笑ったり、
水槽のトンネルでアザラシが頭上を泳いでいくのをぼーっと眺めたり、
イルカショーを観て、すごいと何度も言ったり。
水族館が楽しい場所だということを思い出した。
そうしてちょっと休憩しようとベンチに座って。
わたしはおもむろにプレゼントを取り出す。
「はい、これ。」
「え、まじで。
開けていい?」
うん、と頷く。
「うわ、ちょうど欲しいなって思ってたんだよ!」
ナオくんはさっそくバッティンググローブをはめてくれている。
「うん、しっくりくる。
ありがとう、ユウ」
ナオくんはわたしの頭に手を置いたかと思うと髪の毛をくしゃくしゃにする。
「せっかくセットしたのに崩れちゃうー」
「ごめんごめん。
はい、じゃあ俺からはこれ。」


