おばあちゃんが亡くなって5日が経った。



この5日間の記憶がほとんどない。

ただずっと、ぼーっとしながらおばあちゃんのことを考えていた。


おばあちゃんの作るお味噌汁が好きだったな、

とか

会う度に大きくなったね、そう言って嬉しそうに笑ってたな、

とか。


思い出す度に、胸の奥が熱くなった。

でもわたしは泣かなかった。


泣いてもおばあちゃんには何も伝わらないから。


火葬場で煙突から空へとのびていく煙を見つめながらぐっと奥歯を噛み締めた。

泣かないよ、おばあちゃん。

だから心配しないで、天国へ行ってね。

そう心の中でおばあちゃんに話しかける。


その日の空をわたしはきっと、

一生、忘れない。