そう思っていたから、

少しでも時間があれば病院へ行った。


でも日を追うごとにその足取りは重くなっていた。


だって、イヤでも分かってしまうから。


おばあちゃんがどんどん弱っていっていることを分かってしまうから。


それが辛くて、苦しくて。


わたしが顔を出すとおばあちゃんは起きていることが多かったのに、

今では起きているおばあちゃんに会うことのほうが稀になってしまった。


そういう時はおばあちゃんの手をそっと握って、

ただ、おばあちゃんの顔を見て
時間を過ごす。


昔の記憶を思い出しながら、

その手の温もりを忘れないように、

ただただ、静かにその時を過ごす。