わたしは後悔した。


どうしてもっと、おばあちゃんに会いに行かなかったんだろう。



小学生まではトシと一緒に遊びに行って。

それなのに中学生になってからは部活が忙しいとかなんとか理由をつけて、おばあちゃんの家に行く回数が減って。


たまに遊びに行けば、

あの頃と変わらない笑顔で迎えてくれるおばあちゃん。

それが永遠に続くんだと思っていたから、

だからそれに甘えていたんだと思う。



「おばあちゃん」


わたしは最低だ。

おばあちゃんの命の残り時間が少ないことを知ってから、

今まで会いに行かなかった時間を埋めようと必死なんだから。



「今日も来てくれたのね。

彼氏と遊びに行ったりしなくていいの?」


おばあちゃんにはナオくんの話をした。

お母さんは知らない、おばあちゃんと二人だけの秘密。



「うん、大丈夫。

学校に行ったら会えるし。」


それに今はおばあちゃんとの時間の方が大事だから。

という言葉は飲み込んだ。


きっとそんなことを言ったらおばあちゃんは

「おばあちゃんのことなんて気にしなくていいのよ」

そう言うに決まってる。


それが分かってるから、あえて言わなかった。


今は何よりもおばあちゃんとの時間を大切にしたい。