「まず、圭祐くんに謝ります。」
「え?」
「たぶん、今後も美帆ちゃんに迷惑と心配をかけ続けると思います。
だから、辛い顔も苦しい顔もさせ続けることになると思います。
…すみません。」
座ったまま、頭を下げた。
「俺、もう腹くくったんです」
直斗先輩とユウが一緒にいる姿を何度も目にしたし、
ユウからバカみたいにのろけ話は聞かされるし、
その度に苦しくて苦しくて、たまらなくて。
ユウが好きだって気持ちを自分の中から消し去りたかった。
そしたらどれだけ楽になれるだろう、って。
でも、そんなことはできなかった。
やっぱり俺はユウが好きで。
好きで、どうしようもなくて。
だから、決めたんだ。
「ユウを待とう。
いつか、ユウが本当の自分の気持ちに気づくまで、待とうって決めたんです。」
自意識過剰かもしれない。
でも、ユウの気づいていない気持ちがあると信じて、
いつまででも待ってやるって決めたんだ。
「だから気持ちはすごくありがたいけど、
相談なんて何もないんです。
俺がやることは1つだから。」
「1つ?」
「ユウを誰よりも近くで、
誰よりもそばで見守り続けるだけです。」


