「美帆ちゃんがね、言ってたよ。
後悔してるんだ、って。
今の彼氏と付き合うことにするユウを止めれば良かったって。」
美帆ちゃん。
美帆ちゃんは何も悪くない。
悪いのは、あのときユウの手を離した俺なんだ。
「ユウはいつか後悔する。
トシくんがいつか誰かのものになったとき、ユウは絶対に後悔する。
そのことを分かってたのに、あたしは告白されたユウの背中を押すようなことをしたんだ、って美帆ちゃん、ユウちゃんがまだ傷ついていないのにすごく辛そうな顔で言ってたよ」
美帆ちゃん。
美帆ちゃんは優しすぎるよ。
「それにね、トシくんのことも心配してたよ。
鈍感でバカなユウの背中をあたしが押したことによってトシくんを傷つけた。
ユウは本当に何も気づいてないから、先輩との話をトシくんにして、トシくんを傷つけ続けてる。
トシくんに辛い思いをさせ続けてるのはあたしのせいなんだ、って。」
美帆ちゃんはバカだ。
どうして自分のせいだなんて言うんだろう。
すべて、俺のせいなのに。
美帆ちゃんは俺が美帆ちゃんにどれだけ救われているのかを全然わかってない。


