「じゃ、また」
トシと圭祐くんに背を向けて、
少し先を歩いている美帆を追いかけた。
「ねえねえ、美帆。
圭祐くんとなんかあるの?」
「なんか、って?」
「学祭のあと」
ピタっと美帆の足が止まった。
「なんで?」
「さっき、目だけでなんかやり取りしてたから」
「ユウのくせに、そういうところ気づかなくていいの!」
ユウのくせに、は失礼だけど、
でも、わたしの予想正解じゃん。
思わずニヤけてしまう。
「学祭の後、会うんだ?」
「なに?なんか問題でもある?」
怒ってないくせに美帆は怒った顔をする。
圭祐くんを好きになってからと言うものの、美帆はわたしの知らない顔をたくさん見せてくれるから面白い。
「別に~
問題なんてありませーん」
わたしはニヤついた顔を抑えることができないまま、
お化け屋敷と化している教室へ走った。


