「今朝もトシに言われたんだよー」


「何を?」


教室に入る。

いつもとは全く違う景色。


今、うちの教室はとんでもない状態になっている。



「圭祐くん、ほんとに来るんだよな?って」


「…ああ」


美帆は目を伏せる。



「絶対に会わせてよ、ってトシから念押ししといてって頼まれました。

わたしも楽しみにしてるよ!」


「別に会わせるのはいいんだけどさ。

お願いだからはしゃがないでよ?

子どもっぽいって思われたくないからさ。」


「もちろん!分かってるよ!」


「絶対分かってない…」


という美帆の小さな一言は聞こえなかったことにした。



にしても、美帆。

この様子だと、あれをやるつもりだな。