「いいですか。あなたが本当の正義の道を歩もうとする時、すべてを遮るものが必ず現れます。それは敵かどうか判別できぬ点で、強敵です。あなたは、善の心を緩めてはならぬ。常識をもって、断じていくのです。時にそれは、この闇の世界にあって、相応しい仲間のような素振りを見せ、近付いてきます。その全ては自らの欲望を叶えさせるためには、こちらの正義の志を折ることに関して、無頓着です。智恵が必要です。冷静な心が必要です。沈着な心持ちが必要です。時節を待つ辛抱強さが求められます。悪人の要件のひとつに、待てない、というものがあります。善人の要件のひとつに、辛抱しきる、というものがあります。私はそう思っています。あなたには、神の差配ではないかという恐怖心があります。その時は、常識をもって、判別していくのです。常識でもって、必要以上にお人好しに生きようとせぬこと。常識でもって、力強く生きていくこと。それは35歳、36歳男性の、常識だと思います。」