飛べない竜と詩えない妖精

考えが読めるのか読めたのか、烏丸が面倒くさそうに答えた。


「彼女が困っていたから道案内しただけなんですが、カフェのガラスケースに張りついて離れないから、しかたなくあなたを呼んだまでの話です」

「……なんで」

「保護者ですよね?」

「……ちがう。だいたいなんでオレが保護者って話になるんだよ」

「僕の情報網をなめないでください。あと、カラスさんカラスさんうるさいです。どうにかしてくださいよ」

「言って聞くならな」


パフェしか見えてないのか、嬉しそうに頬張る姿はまるでリスのように見える。結構大きめのグラスに入っていたはずなのに、あっという間に底をついてしまった。